The Focal Distance

若さとはこんな淋しい春なのか

ドトールのアイスミルク

コーヒーも紅茶も飲みたくないときドトールで何を頼めばいいのか、という問題がある。

ドトールは、今でこそスターバックスに水をあけられているが、長年日本でもっとも店舗数の多いコーヒー・チェーンであり、当然いまも至るところにある。メニューは全体的に低廉で、ちょっと一休みしたいときに打ってつけの場所だ。

でも、コーヒーも紅茶も飲みたくない、あるいは飲めないという場合はドトールで頼める飲み物の選択肢は限られてくる。ルイボスティー、オレンジジュース、りんごジュース、宇治抹茶ラテ、そして最近登場したタピオカくらいだろうか。改めて検討すると意外とあるが、そこは考えないようにしたい。

しかし、メニューに記載されていない商品で、私がお勧めしたいものがある。それがアイスミルクだ。値段はアイスコーヒーと同じで、Sなら224円(店内飲食の場合)。

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つくるのに(ほんの)少し手間がかかるホットミルクならまだしも、アイスミルクをわざわざ外で注文するという行為の意味を問われる向きもあるかもしれない。しかしドトールのアイスミルクは、なぜかおいしい。飲む際は、必ずガムシロップを入れてほしい。また氷はデフォルトで入っているが、牛乳に氷、と思われる方もここは敬遠せずにそのままで飲んでほしい。溶ける前に飲めばよいし、多少薄まっても十分おいしい。

マクドナルドのコーラも家で飲むよりおいしいと私は思うのだが、それと同じだろうか。もしくは牛乳に秘密があるのかもしれない。アイスミルクを提供する工程を見ていると、グラスに氷を入れて、紙パックの牛乳を注いでいるだけだが、そのパックの牛乳は見慣れないものだ。市販の牛乳と同一で、パッケージだけ変えてあるのかもしれないし、あるいはドトール向けの専売品なのかもしれない。そこのところはわからない。

アイスミルクは、メニューに記載されていないので、その存在を知っている人は多少限られてはいる。今でこそ、インターネットでいくらでも情報が出回っているので「隠された」とか「裏メニュー」などというほどのことはない。私はその描写を読んだことがないが、清野とおるの漫画にも出てくるらしい。

だが、ドトールの店員さん相手でも「アイスミルク」と頼むと「ミルクティーですか?」などと訊かれることがある。特に「若葉マーク」をつけている店員さんで、本当にその存在を知らないのだろうと思われることもあれば、単に私が間違って注文していないか確認するために訊いているのだろうと思われることもある。

私はといえば、アイスミルクの存在は幼い頃から知っていた。祖母が、子供のころドトールに入るといつも私にアイスミルクを頼んだためだ。たしかに、子供は一般にコーヒーをあまり飲まないし、紅茶を飲む場合でもカフェインが含まれている。私はコーラをたくさん飲んでいたのでカフェインは今更という感もあるが、アイスミルクは子供にはぴったりだろう。祖母自身もよく飲んでいたが。

祖母はインターネットをしないので、彼女がどこでアイスミルクの存在を知ったかはわからない。ドトールに知り合いでもいたか、あるいは誰かが頼んでいるのを見たのか……。そういうわけで、私はむしろ、結構大きくなるまで「アイスミルク」がメニューに記載されていないことを知らなかった。自明にあるものだと思っていた。

ということで、ドトールにはアイスミルクがあって、おいしいですよ、というだけのことを長々と書いたが、特に暑くなってくるこれからの時期にはちょうど良い飲み物だと思うので、皆さんもドトールに行かれる際にはぜひお勧めしたい次第である。