政治・経済で私大を受験する人へ(1)
進路と前置き
私は国語と英語と選択科目として政治・経済を選び私大を受験しました。
受験先は、
となっており、すべての受験学部に合格できました(二重丸は進学先です)。
さて、政治・経済で受験をする人は、日本史・世界史・数学などに比べて極めて少なく、情報が手に入りづらいという面があります。ここでは、私が受験期に得た知見をいくらか共有することができればいいなと思っています。
政治・経済を選ぶメリット・デメリット
まず、メリットとしては「暗記量の少なさ」が挙げられるでしょう。私立大学、特に早慶の歴史科目では「カルトクイズ」とも評されるような、極めて多くの知識量を必要とする問題が出される傾向にあると聞きます(私は歴史科目の過去問を見てすらいないので、あくまで伝聞ですが)。
その点、政治・経済はまず教科書の厚さからして歴史とは違います。実のところ、社会科目ではありますから暗記はある程度要求されるのですが、歴史に比べればかなり少ないと言えると思います。ですから、国語や英語が不得意でそちらに力を入れたいという人には、社会科の負担を軽くできる政治・経済はお勧めです。
また、受験とは関係ありませんが、政治・経済を勉強するとニュースが面白くなるということがあると思います。日頃ニュースで取り上げられている言葉、たとえば「ゼロ金利政策」や「集団的自衛権」といった言葉も政治・経済の範囲なのです。社会科のなかで一番「普段役に立つ」科目と言ってもいいかもしれません。
続いて、デメリットですが「受験できる学校が限られる」ということがあります。これは後に詳述しますが、たとえば、早慶上智のうちで政治・経済が利用できるのは、基本的には早稲田だけです。「慶應の雰囲気が好きで、慶應以外考えられない」というような人は、まず政治・経済を選ぶべきではないでしょう。逆に、「早稲田命」とか「早慶MARCHのどこかには行きたいが、あんまり歴史はやりたくない」というような方には、勧められる科目です。
また、国立大学では「政治・経済」で受験できる学校はほとんどありません。東京学芸大学の一部の学科と、一橋大学で「倫理・政経」で受験できるというくらいしか私は知りません。学芸大の方は見たことがありませんが、一橋の「倫理・政経」の問題が解けるようになるくらい勉強するのであれば、普通に歴史科目をやったほうがいいと思いました。ですから、国立大学と併願する方には、基本的にはお勧めできません。
政治・経済で受験できる私立大学
「受験できる学校が限られる」と言いましたが、実際どのくらいの学校で政治・経済が使えるのか、例として「早慶上理」「GMARCH」の文系学部で見てみましょう(基本的に私が受験した2017年度のデータであり、2018年度以降の入試でも利用できるかどうかは、ご自分でお調べください)。
早慶上理
GMARCH
- 学習院大学:全学部一般入試
- 明治大学:文学部一般入試以外の全学部すべての入試
- 青山学院大学:すべての学部・学科の全学部入試、経済・法・国際政経・総合文化政策・地球社会共生の各学部一般入試
- 立教大学:文学部を除く、すべての学部・学科の全学部入試
- 中央大学:法・経済・商学部のすべての入試、文・総合政策学部の統一入試
- 法政大学:グローバル教養学部を除くすべての学部・学科の一般入試
慶應・上智こそないものの、多くの大学の学部学科で、政治・経済が利用できることがわかります。また、上智大学もTEAP利用入試では政経(2018-01-30 修正)が利用できたり、法政大学グローバル教養学部一般入試のように、そもそも社会科が課されていない学部もあり、慶應・上智で使いづらいのを覚悟できれば、意外と選択肢は狭まらないと個人的には思っています。ここにはありませんが、たとえば関関同立・成成明学でも広く利用できます。
政治・経済で私大を受験する人へ(2)に続きます。