The Focal Distance

若さとはこんな淋しい春なのか

深夜の公園のすすめ

夏が近い。

夏は、夜でも寒くない(下手すると暑い)ので深夜の公園でぼーっとするにはいい季節である。

深夜の公園に行くと、何が得られるのか。
公園によって得られるものは違うのだが、その辺にぽつんとある小さな公園では、概ね静けさと孤独が得られる。思春期の人間にとって孤独は必ず必要な体験であると思う。缶のコーラを買ってベンチに座って静かに飲もう。緑が心地よい風にそよぐのがわかる。意外と星や月が綺麗に見えることに気づく。灯りの下にベンチがあったら本を読むこともできる。夏の夜にベンチでする読書は異様に捗る。

休前日にそこそこの大きさの公園に行けば(例:谷保第一公園)、きっとカップルを目にすることができる。深夜の公園のカップルというのは実に微笑ましい。ベンチを立ったかと思えば名残惜しげにまた抱きしめあったりしている。缶のコーラを買ってベンチに座って静かに飲みながら時々眺めよう(じっと眺めていると失礼なので)。私は他人の幸せを羨むことはない人間なので(幸せは相対的なものではないと思う)、彼らに幸あれ、と思う。大抵の場合、いつかその幸せは失われるという切なさも、良い。

ところで、深夜の公園に必ずしも一人で行く必要はない。
友人と、恋人と、静かに語り合う時間を持つのは非常に素敵なことだと思う。あんまり大勢だと静かではないので、せいぜい3、4人にしておこう。大勢で騒ぎたいならカラオケでも行けばいいのであって、深夜の公園とは目的が違う。

あなたも眠れない夏の夜にふと深夜の公園に行ってみてはいかがだろうか。くれぐれも危険な目には遭わないように注意して。